平成21年4月30日 保護者の皆様へ NPO法人ピッキオ  早春の候、時下ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。  さて、本日「春のクマ安全講習」として、お子様にツキノワグマの生態や出会った時の対処法についてご説明させていただきました(内容につきましてはぜひお子様からお聞き下さい。お子様のより深いご理解と今後の安全につながると存じます)。  その他、以下に保護者の皆様に向けた現在のクマの情報等について提供させていただきますので、ぜひお読み下さい。 1.軽井沢周辺のツキノワグマの動き 軽井沢も若葉が萌える季節となり、生き物たちも活発に活動し始めます。この季節、クマも冬眠から目覚め、動き始める時期です。 現在、電波発信器を装着し行動追跡できるクマは11頭(オス3頭、メス8頭)です。彼らは町内の別荘地やその周辺で夏に捕獲されたクマですが、彼らが冬眠した場所は浅間山南斜面や白糸の滝方面、群馬県長野原町(北軽井沢方面)や高崎市倉渕町(浅間隠山方面)、下仁田市松井田町(霧積、碓氷峠方面)とさまざまです。またクマによっては活動期間中(4月中・下旬〜12月中・下旬)、北は長野原町、西は小諸市、東は高崎市、下仁田市と、かなり広範囲を動くものもいます。 これらから「軽井沢で捕獲されたクマ」は常に軽井沢にいる訳ではなく、軽井沢を含めた浅間山麓から霧積・碓氷の山塊一帯を行動範囲として、その豊かな森林の恵み(クマは植物中心の雑食性で、木や草の若葉や新芽、木の実、昆虫などが大好物)を利用しながら暮らしていることがわかります。 クマの春先の主な食べ物は「草や木の新芽(いわゆる「山菜」)」なのですが、この時期、これらは雪解けが早い山の南斜面や沢沿いに多く、クマもそのような場所を中心に行動しているようです。「山菜取りの方が、クマと遭遇」という話をよく聞きますが、それらは人とクマがともに同じ物を求めて、黙々と沢沿いや山中を歩くことから発生しています。 軽井沢でクマ情報が出始めるのは、5月のゴールデンウィークが明けた頃です。それらもやはり「沢沿いの森や林道での目撃」というパターンが多く、目撃されたクマは、大抵の場合、人から遠ざかる(逃げる)という行動をとります。さらに鈴等の鳴り物の携帯により、そもそもクマと遭遇する機会が減少します。なお、例年ですと春から夏にかけて、町内でのクマ情報は増える傾向にあります。 以下、クマ情報の入手先と自宅周りや集落にクマを引き寄せない方法等をご紹介しております。ぜひご利用いただくとともに、今後とも地域へのクマの出没、被害の予防対策にご理解とご協力を頂けますよう、何卒よろしくお願いいたします。 2.クマ情報の入手について 下記の方法で、町内の最新のクマに関する情報を入手できます。 インターネット 下記サイトにて、町内の最新クマ情報や対処法を発信しています。 軽井沢町HP http://town.karuizawa.nagano.jp/ 「各種案内」→「くらし・環境」→「野生動物」のページ ・ クマによる被害を予防するための注意事項、クマ情報の位置 NPO法人ピッキオHP http://npo.picchio.jp/ ・最新のクマ情報(2週間に1回ほど更新) ・ブログ「軽井沢ツキノワグマ日記」(1週間に2回ほど更新) 学校の配布物 学校とクマ情報を共有しながら、児童への配布物を通じて、クマに関する情報を配信させていただくことがあります。  区 放 送 当該区長の判断により、クマの出没状況と注意を区内放送により発信することがあります。 情 報 看 板 クマの出没が続けて確認された場合、その周辺の方々にいち早く状況をお伝えするため、出没日時などを記載した看板を設置します。看板にはクマへの対処、被害防除策も記載されています。周辺でクマ情報が1〜2週間なければ、撤去されます。 3.集落にクマを引き寄せない対策にご協力を!  クマによる被害を予防し、クマとのすみ分けを進めていくために、ご自宅周りでのクマを引き寄せるもの(ゴミや食料、農作物等)の適切な管理を、以下を参考にしてご協力ください。特にクマは鼻が良く、食べ物となりうるもの(生ゴミやペットフードなど)に敏感に察知しますのでご注意下さい。 生ゴミ/燃えるゴミ 夜間だけでも屋内保管しましょう。 ペットフード 基本的には屋内保管し、ペットの食べ残しは撤去しましょう。 コンポスト 極力臭いを抑えるため、定期的に石灰や発酵促進剤を投入してください。肉、魚、果物等、強い臭いが漂うものは、投入をお控えください。自宅付近でクマ情報が頻発したときは、一時的な撤去もご検討ください。 農作物 トウモロコシ等の農作物の被害予防には、電気柵による防除が効果抜群です。資材購入額の1/2補助(上限あり)を町から受けられます。 ・営農者、営農団体 補助限度額30万円 ・営農者以外(家庭菜園耕作者)補助限度額5万円 ・農業団体(複数により一団の農地を耕作)補助限度額100万円 4.クマに関する情報、お問い合わせについて 「ツキノワグマ対策事業」は、軽井沢町からの委託により 「ピッキオ」 が行っております。ご自宅周辺で、クマを目撃したり、痕跡、被害らしきものを発見された方はぜひ情報をお寄せください。またクマや対策に関する質問等がございましたら、下記連絡先までどうぞお気軽にお問い合わせください。 ◆ NPO法人ピッキオ  TEL:0267-46-3818(9:00〜18:00)  夜間通報先:090-3585-9763(上記の時間以外) ◆ 軽井沢町役場・農林係  TEL:0267-45-8572 5.出前講座「こもれびの街講座」ついて  軽井沢町には「こもれびの街講座」という町職員による出前講座があります。  平成9年から始まった本講座は、町民の知りたいことに、町職員が出向いて説明をするというユニークなサービスです。まずは年度始めに、講座メニューが「広報かるいざわ」などを通して町民に知らされ、町民から受講の申し込みがあると職員が講師となって開講されます。  町民で5名以上のグループであれば、祝日休日を除き、午前9時〜午後9時の間で受講できます。クマに関しては、「野生動物との付き合い方」という講座を選択していただければ、町職員と弊団体のクマ専属スタッフが出向き、周辺のクマの動きや状況、対応策などを直接お話しすることが可能です。ぜひご利用下さい。  本講座のお問い合わせ、お申し込み先は下記までご連絡下さい。  ◆ 軽井沢町教育委員会生涯学習係    TEL:0267-45-8695   E−mail:kyoui@town.karuizawa.nagano.jp