もうひとつのコワイ童話  〜 七人のいけない小人たち 〜 第5章 ちひろ  ボクは、サキお姉さまの太い腕から、姫さまの手で引き剥がされていました。  姫さまの右の乳房の上にすとんと置かれていました。スカートが、ふわっと舞い上がっていました。  さっきまで、友美先輩がいたのと、同じところです。  幸い、サキお姉さまが、左の乳房の上にいてくださるので、安心しました。サキお姉さまは、明るい笑顔を作って、ボクを励ましてくれています。  親指を立てて、ぐっと前に突き出していました。「never give up!(挫けるな)」という二人だけのサインなのです。  ボクも、同じようにして応えました。  お姉さまのは、筋肉質の太くて逞しい腕です。ボクは、羽交い締めにされると、そこからなんとしても抜け出せないのでした。でも、それが快感にもなっていました。  ボクの前には、ひんやりとした肉の小山のような、恐ろしい乳房があります。  これから、この肉の目鼻もない怪獣に対して、ボクの細い手足で、攻撃していかなければなりません。  全力の肉体労働なのです。ボクたちは、奉仕作業と呼んでいました。  ぐすん。  ボクは、泣きそうになっていました。  それでも、しっかりしなければなりません。須美子先輩の言うように、だれも、今のちひろを助けてはくれないのです。  ボクは、両手で抱けるぐらいの肉の滑らかな斜面を、一生懸命にこすっていきました。 固い乳首の周囲を、マッサージしていきました。  固い弾力がありました。ゴムのようです。  相当、力をこめないと、鈍感な雪子、いいえ、姫さまは感じないのです。須美子先輩から、姫さまと御呼びしなさいと、注意されていました。普段から言っていないと、咄嗟のときに出ないからです。  ボクは、遠慮なく姫さまの乳首の先端に歯をたてて、ぎりりと噛み付きました。サキお姉さまに教えられた通りにです。  奉仕のためだけではありません。  こんな体にされた恨みもこもっています。  だって、中学生が、小学生の女の子に小人にされて、その上に、こんな恥ずかしいことをさせられているのです。  すっごい屈辱でした。      がりっと、歯に力をこめました。それでも、雪子、いいえ、姫さまは、全然、こたえないのです。  固くて、ぼこぼこした肉が、歯を跳ね返してきます。  こんな固い肉は、食べたことがありません。須美子先輩は、クジラの「たつた揚げ」に似ていると言っていました。  ボクは、それも食べたことがありません。  ボクの顎の筋肉の力では、姫さまの乳首に血を流させることさえできないのでした。 「ちひろちゃん。乳首だけではなくて、おっぱい全体もお願いね」  姫さまの命令が、轟きました。  ボクは、一応「ハーイ」と大声で、素直に応えます。  でも、はらわたは、煮え繰り返りそうでした。   だって、十二歳の女の子に、「ちゃん」づけで、呼ばれているんです。  また少し、悔し涙が零れました。  ボクだけが巨人ではなくて、普通の子供だった白木雪子を、知っているせいもあるかもしれません。  他のメンバーよりも、いつも少しだけ反抗的でした。  「姫さま」という言い方も、須美子さんに教えられて、やっと自然に口から出るようになっていました。  彼女は、小学校五年生の時に転校してきました。  六年生だったボクは、一緒に集団登校をしたこともあるのです。  いつも物静かで、気品のある美貌なので、姫というあだ名も自然に子供たちの間で浸透していきました。  家が、むかし外国の人が住んでいたという、古くて大きな洋館なのが、その印象を強めていました。  ボクは、中に入ったことがありませんが、高い塀の向こうから、姫さまの窓を見上げて、前の道を通ったことも何回かあります。  その雪子ちゃんに、こうして生き人形のように玩ばれて、おもちゃにされているのです。  昨日は、サキお姉さまと二人で、お腹の上で、レスビアンのショーをさせられました。 ボクは、恥ずかしいほどに燃えてしまいました。だって、お姉さまが、上手なんですもの。  それに、雪子ちゃんの、ちらきらと光る大きな目に、一部始終を見られているということも、ボクを夢中にさせる原因のひとつでした。  いいえ。雪子ちゃんではなくて、姫さまです。  下唇を噛んで、ぐっとこらえました。  胸元の、セーラー服のスカーフを、ぎゅっと握り締めていました。これは、本当にボクの通っていた中学校の制服でした。  左の乳房の山の上から、サキお姉さまが、心配そうに見つめてくれています。ボクは、白日夢に耽る癖があるのです。  ボクは、親指を立てました。それから、セーラー服の全身を、乳房にぶつけるようにして動かしていきました。  スカートの下の生足で、乳房の肉を挟み込みました。  パンティを、擦り付けていきました。  なさけないことですが、ボクの体重では、この乳房の山を、動かすこともできないのです。  たぶん、ボクの何倍も重いのでしょう。  ボクは、そうしながら肉の山の麓を、ゆっくりと回っていきました。  素足ではありません。黒いパンプスを履いています。  そして、姫さまのご希望で、白いルーズ・ソックスさえ付けていました。もう、時代遅れだと思うのですが。  その足で、側面を蹴飛ばしてやりました。拳骨で、サンドバッグのように殴り付けました。 「ちひろちゃん、それでいいわ。やればできるじゃない」  姫さまが、励ましてくれました。いちいち頭にくる言い方です。ボクは、姫さまの奴隷じゃないぞ。そう、叫びたくなります。でも、それはできません。  ボクは、怒りを胸にぶつけていきました。  どれほど、手荒に扱っても文句は言われません。むしろ、こうして歓迎されていました。本当に、不気味な肉の怪物でした。  でも、ボクは、まだ良いほうなのです。  須美子さんと友美さんは、股間の谷間にいます。  ひどい場所ですよね。  性器の正面ですから。  よくあんなところを、大人の女の人に至近距離で見られて、平気でいます。正常な神経とは、とても思えません。  自分の身長以上ある、女性性器って見たことありますか。たぶん、ないと思います。  正真正銘の化物でした。  あそこには、どこよりも、ひどい臭気が溜まっていました。  肉食の猛獣の巣窟のようでした。  恐ろしいのは、その裂目が、ボクたちを飲み込みそうな表情をしていることです。  食われそうな気がするのです。  醜悪な宇宙の怪物の、縦に裂けた唇です。 「だいじょうぶよ。安心して」  ボクが、最初の奉仕作業の時のことです。  あまりにも悲鳴を上げてパニックになっているので、姫には、ちょっとからかうつもりがあったのでしょうか。 「ちひろちゃんを、その中にいれるなんて野蛮なことは、あたし絶対にしないから」  そこまでは、良かったのです。 「だって、あなたたちって。そこにいれると、すぐに潰れて、動かなくなっちゃうんですもの。長く遊べないから、つまんないわ」  ボクは、悲鳴をあげて卒倒したそうです。 「ブラック・ユーモアだったのよ。ちひろちゃん。おどかして、ごめんね」  後で、そう訂正してくれました。  実際、最古参の小さ子さんも、姫さまが、そんな残酷なことをしたのを見てはいません。  でも、それ以来、股間の奉仕作業は、ボクには、一度も回って来ません。  それでも、ボクは、だまされていません。  姫さまは、実際に下の口でも、人間を食べたことがあるのです。きっと。  人食いの巨人でした。  サキお姉さまたちには、それからも「中で潰れちゃって、シャワーで流そうとしても出てこないし、指で掻き出したり、ビデを使ったりして、たいへんだったのよ」と、詳細に説明していたそうです。  サキお姉さまが言うように、この子は人殺しなのでした。いったい、ボクたちの前に、何人の「七人の小人たち」がいたのでしょう。  小さ子さんは、最初は一人だったといっていました。  ボクは、生きているかぎりは、白木雪子ちゃんに、抵抗してやるつもりでした。  しかし、ボクがこうしてさぼっている分だけ、他の人に負担をかけているのではないかと心配です。  現在のところは、須美子、友美ペアという社会人のOLコンビが、いたくお気にいりのようです。ほとんど、この二人が指名されます。  終わると、手足が赤と青の痣だらけになっっています。重労働なのです。  もしそうでなくても、あそこは危険がいっぱいなのです。  姫さまが、感じるたびに、激しく動くのですもの。  ボクたちは、陰毛を片手の手首にからめておかなくてはなりません。これが命綱なのです。サキ先輩が、教えてくれました。  そうしないで、もしお尻や太股の下にはさまれたら、その瞬間に、押し潰されてしまいます。  陰阜の丘から、一メートルぐらいの長さで黒い薮のように密生しています。性器の両脇にも垂れ下っています。体毛が濃いほうなのでしょうか。  一房を掴むと、ボクたちの体重ぐらいでは、抜けることは絶対にありません。姫さまもいたがるどころか、それをいつも楽しんでいます。  紫色の肉の襞が、臭いよだれを垂らしています。  それが、ねっとりと肌に絡み付いてくるのです。糊ぐらいの粘着力があります。髪に絡むと、ひどいのです。  それが、大量に分泌されるので、作業が終わる頃には、頭から足の先まで、愛液まみれになってしまいます。  だって、ボクたちは、あそこを撫でたり、キスさせられたりもするのですから。  ああ。思い出しても、気持ちが悪い。  ぺっぺっ。  ボクは、乳首に唾を吐きました。  それから、そこを手の平で撫でて、証拠を湮滅しました。  お腹の広い肉の平原の上には、元国際線のスチュワーデスをしていたというナオミさんがいます。  ある航空会社の、濃紺の制服を着ています。  髪を、ショーット・カットのボブにしています。すごい美人です。  ボクは、姫さまは絶対に、めんくいだとにらんでいます。小人を選択してくる基準は、例外もありますが、原則として顔だと思います。  その中でも、ナオミさんの美は、ひときわ輝いていました。       二十六歳だということです。「七人の小人たち」の中では、須美子さんの次に年長でした。  物静かで、落ち着いた大人の雰囲気がありました。  足が長くてスタイルが良いのです。ハイレグの水着が、似合いそうな体型でした。  ボクが、そんな水着を着れる夏の日は、いつ来るのでしょうか。  ああ。いけません。また。涙がにじんできました。  ボクの王子さまは、いつ助けに来てくれるのでしょうか。  水泳が趣味だというナオミさんは、小麦色の美しい肌を、この世界に来てからもきちんと維持していました。  須美子さんに、交渉してもらい、普通の人の顔用の紫外線灯を調達しました。  自分で調節して、入浴後の全身の肌を焼くのに使っています。ボクとサキさんも使わせてもらっています。  ナオミさんの褐色の肌は、姫さまの白い肌と美しい対比を見せていました。  彼女は、長い手足でお腹をこすり、へその穴に顔を入れています。ボクと同じようなことをしています。  あとの二人の小百合さんと、小さ子さんはどこにいるのか、ボクには分かりませんでした。足とか、腋の下になっているのでしょう。  姫さまの体は、巨大な遊園地のようでした。全体を俯瞰することは、とてもできないことでした。  がああおうっ。  巨大怪獣が、また吠えています。  姫さまの両手が、ボクと、サキ先輩、それにナオミさんの頭上を、飛行していきます。白い二匹の竜のようです。  そろそろ、フィニッシュが近いのでしょう。  両側から、腕の内側で押された乳房が、ぼい〜んと隆起していきました。ボクは、乳房の固く張り切った肌に、しがみつきます。  谷間に落ちたら、しゃれにならないですからね。  興奮が高まってくると、姫さまは、ボクたちの非力な愛撫では満足できなくなって、自分の手で決着を付けられる習慣でした。  ナオミさんと、サキ先輩が、腹部の上をぺたぺたと全力疾走していきます。二人とも器用にバランスを取りながら、走っていきます。  海の上を遊泳するクジラのうえに乗っているようです。ボクには、立っているだけでも難しいのに。  みなさん、とても運動神経が良いのでした。  股間の陰毛の森に、入っていきました。  腹ばいになって、手をのばしてます。あそこから須美子さんと、友美さんを救出していました。自力の脱出は困難でしたから。  こうしないと、姫さまのオルガスムの爆発から、生還できなくなってしまうのでした。  黒い森に、四人の人影が立っていました。  それを待ち受けていたように、姫さまの手が股間の谷間に、もぞりもぞりと深く潜っていきます。  ボクは、涙を拭っていました。そろそろ奉仕作業は終了です。  今日は、ほとんど何もしなかったような気がします。えへへ。  ボクって、生意気ですかしらね。 (七人のいけない小人たち 第5章 ちひろ 完)